「afterコロナ」で「昭和」の生き残りはどうなるー河合薫「コロナショックと昭和おじさん社会」

2021年6月1日火曜日

河合薫

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 「他人をバカにしたがる男たち」や「定年後からの職場入門」「残念な職場」など現代の職場が抱える「働き方」についての著作の多い筆者が、新型コロナ感染症の拡大の中で起きてきた問題について、その根本原因となる「昭和モデル」の存在を明らかにしたのが、本書『河合薫「コロナショックと昭和おじさん社会」(日経プレミアシリーズ)』です。


本書の構成は


プロローグ コロナ禍がさらした「昭和のツケ」

第1章 終わらない昭和おじさん社会

     ー日本社会の「イメージ」と「現実」

第2章 ここまで深刻化していた「分断の壁」

     ー社会のひずみはこうして広がった

第3章 若者も中高年も女性も働きづらい理由

     ー日本の会社のしくみは既に無理がきていた?

第4章 広がりすぎた格差のゆくえは

     ー昭和モデルからこぼれ落ちるということ

第5章 これから始まる社会のニューノーマル

     ー昭和おじさん社会からの脱却


となっていて、本書は日経ビジネス連載の「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に加筆修正したもので、2020年出版のもの。なので、新型コロナ感染が拡大した第一波、第二波の時に生じた問題、例えば

コロナ禍で加速したテレワーク導入により「会社に来る」ことで評価されていた時代は確実に終わるだろう。フェイスtoフエイスで物を売るスタイルは過去の遺物となり、人の機微をつかむコミュニケーションよりSNSを使った無駄のない発信のうまさが求められるようになる。完全な成果主義に移行し、オフィスは縮少され、上司と部下の関係も大きく変わる。奇しくもコロナ禍が、「社員消滅」を後押しすることになってしまうのだ。

で見られるような「オフィス消滅」の現象など揺れ戻しが生じていて、まだその方向が定まらないものもあるのですが、問題なのは


日本がGDPで米国、中国に続く世界3位の経済大国なのにもかかわらず。シングルマザー世帯の貧困率が先進国で突出すていることも、「パートの賃金は安くて当たり前」という旧態依然とした価値観が根っこにある


といったような貧困問題などのようにビフォー・コロナの終わりごろ、議論が始まりつつあったものが、「コロナ」という世間全体が被った大きな波に呑み込まれてしまって、いつの間にか、コロナからの脱却mあるいは日常性への復帰ということに覆い隠されて、問題そのものが皆の意識の外へいってしまったことでしょう。


本書のはじめのところで筆者は


今「アフターコロナ」という言葉が象徴するように、新しい社会はどうなるのか?どういうく生き方をすればいいのか?を多くの人が模索しています。

(中略)

でも、ここでちょっと立ち止まってほしいのです。みんなが同じ方向に向かっているときは、こぼれ落ちるものを見逃してしまいがちです。


とあるのですが、むしろ今おきているのは「先祖返り」。

つまりは「コロナ禍」でなくなりかけた以前からのものが、「afterコロナ」の名のもとに無鑑査で再び息を吹き返しているように思えます。

「afterコロナ」の社会で大事なのは、いろんな課題やいろんな不満に対して、正面から、スタンスやその理由を説明できるどうか、するかどうかのような気がしています。とりわけ政府や行政体にはそこのところをお願いしたいですね。

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日本一の人口最少県の住人。地方公務員、社会福祉法人役員を経て現在、行政書士開業中。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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