何がおきても心おだやかに生きる方法を学ぼうー斎藤孝「イライラしない本」

2020年10月9日金曜日

斎藤孝

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 新型コロナウィルスの感染拡大で自由な行動が制限されたり、突然の不景気の波が押し寄せてきたり、と思ってもみない心を騒がせる「イライラ」の原因が次から次へとやってくるのが現代の特徴といえます。皆さんの中にも、気が付くとつい「イライラ」して家族にあたったり、あるいは逆にあたられたり、といった人も多いはず。

そんなあなたに、現代の名アドバイザーともいえる筆者が贈るのが本書『斎藤孝「イライラしない本」(幻冬舎新書)』です。


構成と注目ポイント


構成は


第一章 何が心を乱すのかーイライラの根源

第二章 ネガティブ感情を見極める

第三章 ネガティブ感情を浄化する

第四章 ネガティブ感情を管理する

第五章 感情が落ち着く心の港を持つ


となっていて、大まかな流れとしてはイライラの「原因分析」→「鎮め方とコントロール」→「防衛策」といった形になっているのですが、イライラは現代人なら誰しもかかっている慢性病のようなところがあるので、どんな時にいらいらするか、ということをされおいて、イライラした時の対処法を中心に、本書のエッセンスを抽出してみましょう。


イライラを客観化する


まず注目しておきたいのは、イライラした時は、その感情を「客観化」することが勧められています。怒りとか悲しみといったはっきりした感情は、その対象となっていることや人がはっきりしていることが多いのですが、「イライラ」は、心が落ち着かない状態ではあるのですが、いったい自分が悲しいのか怒っているのか、不安なのか漠然としてわからない、という状態のことが多いです。


なので、本書でまず勧めているのが、その感情を「客観化する」ことで、そのやり方は

①鏡を見て、自分の様子を観察する

②何にイライラしているのか書き出してみる

といった方法が進められています。要は、自分の心の中、感情の中で抽象的に処理してしまわずに、何か「形」にしてみる、ということですね。特に①は自分が一体、どんな感情にとらわれているのか、不安なのか、怒っているのか、第三者の目で見ることができそうですね。


イライラを粉砕する冴えたやり方


そして、自分のイライラがどんな感情に突き動かされているのかがわかったら、その原因となる事象や人がおぼろげながらも明らかになってくるので、今度は、それに対する感情の「洗い流し」(本書では「浄化」といってますね)です。

この「洗い流し」の方法として本書では、第三章から第四章のところに述べられているのですが、こちらで勝手にまとめてみると

①愚痴る、歌う

②芸術に触れたり、映画を見て、他人の不幸を見る

③単純作業に没頭する

といったことに集約できそうです。

①は文字通り、自分の中の感情をとにかく外へ吐き出す行為ですね。ずっと昔の人が仏壇のご先祖に向かってあれこれと不満を喋っているような感じですね。

②は、ちょっと「黒い」イメージの解決法で、自分がイライラを感じていることが大したことではない、という感情に変化させる方法ですが、個人的には大っぴらにおススメするのはためらわれます。


意外におススメなのが③の方法で、イライラ感情を外へ出す、というものではなく、イライラ感情自体を洗い流してしまうやり方で、これが一番「浄化」のイメージにあうのかもしれません。オフィスにたまった不要書類をシュレダーにかけるときいったものから、家庭菜園で土を耕すといったものまで多種多様なのですが、体を動かす要素のあるものが効果が高いようですね。


このほか、間違いなくハッピーな感情になれる「絶対的な場所」を持つ、ですとか、心からリスペクトできる対象を持つ、といった、そもそもイライラしないようにする方法論あたりもアドバイスされているのですが、ここらちょっと倫理学っぽいお説教臭さが感じられるかもしれないので、お好みによってチョイスしてください。


レビュアーからひと言


「イライラしないように」と思っても、こんなに心を騒がせる出来事が多いと、それはとても無理な話。私たちができるのは、イライラを早期に見つけて、消火するといったことなんだと思います。イライラを鎮める方法は、この本以外にもいろいろ出ているので、自分にあった方法を紹介している本を漁ってみてもいいかもしれません。

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日本一の人口最少県の住人。地方公務員、社会福祉法人役員を経て現在、行政書士開業中。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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