女性脳の”取扱い方”は「共感」がポイントー黒川井保子「妻のトリセツ」(KADOKAWA)

2020年9月2日水曜日

心理学

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 新型コロナウィルスの感染拡大で、働く現場が一挙に「リモートワーク」化した時、「働き方」が大きく変わった一方で、家庭では、夫とずっと一緒にいると息が詰まる、とか、食事や家事の手間が増えて大変になった、といった「妻」からの不満の拡大もおきていました。

その妻の不満の暴発に対して、なぜ妻が不機嫌になったか皆目見当がつかなくて途方にくれた「夫」も多かったのではないでしょうか。

そんな経験をした男性の方々には、AI研究者で、かつ脳科学の研究者でもある筆者が著し、ベストセラーとなった本書『黒川井保子「妻のトリセツ」(KADOKAWA)』を改めて読んでみてはいかがでしょうか。


【構成と注目ポイント】


構成は


はじめに~女性脳の仕組みを知って、戦略を立てよう~

第1章 辛い記憶「ネガティブトリガー」を作らない

     ~妻に嫌な思いをさせる発言と行動を知っておこう~ 

 1 何十年もの類似記憶を一気に展開する女性脳

 2 人生最大のネガティブトリガーを作りだす周産期・授乳期

 3 話し合いはビジネスプレゼンのメソッドで

 4 妻をえこひいきすると、実家ストレスが解消する

 5 「名もなき家事」がふたりを分かつ

 6 妻の小言はセキュリティ問題と心得よう

 7 事件はたいていリビングで起きる

 8 時間差の買い物で互いのストレスをなくそう

 9 夫が気づかない「妻を絶望させるセリフ」

 10 心の通信線を開通させよう

第2章 ポジティブトリガーの作り方

     ~笑顔の妻が戻ってくる、意外に簡単な方法~

 1 ネガティブをポジティブに変える脳化がk的テクニック

 2 普通の日だからこそ効果絶大な、言葉と行動

 3 いくつになっても愛の言葉が欲しい女性脳

 4 それでも別れないほうがいい理由

おわりに~本当にいい夫の条件~


となっていて、本書によれば


そもそも男性脳と女性脳では見えているものが違う。女性脳は、右脳と左脳をつなぐ神経線維の束である脳梁が男性に比べて太いので、生まれつき右左脳の連携がいい。一方男性脳は右脳と左脳の連携が緩慢だ。これが、脳に性差をもたらす根源だ。


ということのようで、生物学的に違いのある女性脳を、男性脳が理解しようちするのですから、並大抵の努力と注意力ではなかなくまくいかない、ということをまず承知しておきましょう。


で、本書では、妻を不機嫌にする「ネガティブな引き金をひかないこと」と妻の機嫌がよくなる「ポジティブな仕掛けをすること」の二つにわけてアドバイスされているので、それぞれのポイントをあげておきましょう。


◇妻の地雷回避には「ビジネス・テクニック」が有効◇


まず基本的に覚えておかないといけないのは


女性脳の、最も大きな特徴は、共感欲求が非常に高いことである。「わかる、わかる」と共感してもらえることで、過剰なストレス信号が沈静化するという機能があるからだ

ということで、帰宅直後や食事中に奥さんから話しかけられたことへの対応をマズッてどえらい事態を招いてしまった経験は、既婚男性なら何度も経験しているのではないでしょうか。


そして、奥さんと意見が食い違ったときに説得する手法は

①双方の提案に対して、互いにメリットとデメリットを挙げる

②実際に調べて検証する

③デメリットを回避する消極的なメリットではなく、互いのゲイン(手に入れらっれるもの)も示す

④以上を踏まえて、結論を出す

といったことで、とりわけ③が大事なようですが、これはまさにビジネスの「プレゼン」と「交渉」そのものですね。ゆめゆめ家庭だからといって気を抜いてはいけないようです。


このほか、「自分の実家に来たときは、母親ではなく奥さんの側に立つ」とか名もなき家事の一つを自分のタスクと宣言する」とか、「奥さんの頼みを失念していたときは、余計なことを言わずに真摯に”ちょっとおおげさに”謝る」といったアドバイスがあるので、本書のほうで確認してくださいね。


◇妻の機嫌をとるには「記念日作戦」が有効◇


ネガティブな要因を排除して、妻の爆発原因を少なくしたら、次は、彼女の機嫌がいつも良好な状態にしておくことが大事です。

本書では


プロセス志向型で、成果よりも「これまでの道のり」に意識が集中する女性脳にとって記念日は、記憶の芋ずるを引きずり出す気満々の日。なので、この日にネガティブトリガーを引くのか、ポジティブトリガーを引くのかによって、妻の結婚生活に対する評価は正反対になる


とされていて、「記念日」対策が一番のキーになるようですね。これにはプレゼントや記念日デートといったイベントを「予告と反復」といった手法を使って仕組むことが効果的なようですが


どんなに夫が準備に手間暇かけたとしても、サプライズを喜ぶ妻はほとんどいないということだ。・・・何よりもその日を思い描きながらドレスを選んだり、美容院に行ったりする、そういう楽しみを全部奪われてしまったことが悲しいのだ。妻の気持ちを考えないサプライズは時として、特大ネガティブトリガーを作り出す


という「目うろこ」的な知識も出ているのでチェックしておきましょう。


本書の後半では、この「記念日対策」を中心に、「女性脳は、自分と自分が大切に思う人のことを最重要視し、愛情と時間を注ぎたい、究極のえこひいき脳なのだ」ということを基本に「私がいなかればダメな男」作戦や「普通の何でもない日のお土産」作戦とか具体的な手法がアドバイスされていますので、詳しくは原書で確認してください。


【レビュアーからひと言】


本書の冒頭に「妻から放たれる弾を10発から5発に減らそうというのが。本書の目的」とあり、最後のほうでは「脳科学的に「いい夫」とは、時に妻の雷に打たれてくれる夫のことだからだ」や


夫が完璧だと、その放電先が子供になったり、自分に跳ね返ってうつに転じたりして、危なくてしょうがない。いい夫とは、「おおむね優しくて頼りがいがあるが、時に下手をして、妻を逆上させる男にほかならない」


とあって、本書は「理想的な夫になる方法」のアドバイス本ではないので、世間の多くの男性は敬遠せずに読んでおいたほうがいいでしょう。ただ、筆者も既婚女性であることを深読みすると、これも「妻」が「夫」を掌の上で転がすための巧妙な「妻たちの陰謀」なのかもしれませんが・・・。

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日本一の人口最少県の住人。地方公務員、社会福祉法人役員を経て現在、行政書士開業中。

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