会社人間も「会社の外の人生」で楽しみつつ、自己防衛せよ ー 成毛眞「定年まで待つな!」「最高の遊び方」

2019年10月18日金曜日

成毛眞

t f B! P L

 日本の少子高齢化であったり、国家経済といったことで、年金の支給であるとかインフラとか老後の生活を不安にさせる要素はいっぱいあって、「定年」というものが現実感を帯びてきた40代から50代のミドル世代は、正直なところ不安がいっぱい、というところだろう。これからの年金財政を考えると、年齢がいっても働き続けないといけないのだが、AIや「ゆとり世代の若者」に押されて、


これからの世の中にあって、お金を稼げる自分であり続けるのは難しい。少なくとも、いまの職場で、目の前の仕事に追われていたら、定年前に仕事を失い、路頭に迷うことになる・・。そんな悲劇に見舞われる人が、たくさん出てくる、と私は見ている。


というミドルエイジ受難の時代に生活費を稼いだ上に、どうやって機嫌よく暮らしていくか、未来を先取りした提言をしてくれるのが本書『成毛眞「定年まで待つな!」(PHPビジネス新書)』と、その続編的に仕事ではなくて「趣味」を選択した時に読んでおきたいのが同じ筆者の『成毛眞「最高の遊び方 人生も仕事も変わる!」(宝島社)』である。


【構成と注目ポイント】


まず、「定年まで待つな!」の構成は


はじめにーミドルエイジの働き方は一つではない

第1章 老後に野垂れ死にたくなければ、一刻も早く会社を去れ

第2章 スキルアップする暇があったら、地方に飛び込め!一発逆転の転職術

第3章 語学は後回しでいい。さっさと海外で働いてしまえ

第4章 会社を辞められないなら、一つの趣味に全精力を傾けよ

第5章 勤めながらでもOK!超速で自分の会社を設立せよ

第6章 自分を縛りつける「壁」を壊して、賢く生きろ

おわりに


となっていて、第1章で、旧来の義務教育にスポイルされていない「ゆとり世代」や「AI」によって20年後の職場は別世界になるのは間違いないから、早めに「早期退職制度」が導入されたら、積極的に活用しろ、といった、ミドルエイジが親しんできた「日本型雇用」から見ると抵抗があるかもしれないが、「地方」や「海外」に目を転じて、輝き続けられる場所を探そうでは、という、ある意味、前向きな提案と考えておいたほうがよさそうだ。


その前提として、


私は、いたずらに学び直す必要などないと断言する。少なくとも転職をするための学び直しは、ほとんど無意味といっていい。

何を学び直そうが、転職にはまったく役に立たない


であったり、


学び直しといえば、「資格取得」をめざす人も多いと思うが、これもまた、無意味な学び直しの代表格といっていい。

(略)

あらゆる士業があと5~6年でほぼ全滅するからだ。


というように、よくある「定年後の準備」は全く意味がないとあっさり言われるので、そこのところは覚悟しておくことが必要かな。


で、「新しい天地」として推薦するのが


近い将来、起業家は日本の老舗に必ず目を付けるはずだ。その前に、転職して自分色に染めてしまえばいい


であったり、


日本では斜陽産業といわれている業界に勤めている人でも、海外に目を向ければ、転職するチャンスが広がっていることもある。

その例の一つが、「印刷会社」だ。


といった、ちょっと視点の変わった話が読めるのが、この人のビジネス書らしいところですね。ただ、日本マイクロソフトなど名だたる企業で実績を出してきた人らしく


地方の中小企業へ転職するときに、つまずきやすい人がいる。

それは、「中途半端に頭がキレるタイプ」だ。

たとえば、都会のIT企業やコンサルティング会社などで働いた経験がある人や、ビジネススクールに通った経験のある人は転職してもうまくいかないことが多い。

その理由は、簡単にいえば、地方の中小企業の従業員に対して、上から目線で接するからだ。


といった感じで、釘をさしてもいるので、ここらは注意しておきましょう。これとは別に、地方部に住む当方がよく見る、Uターン・Iターンで失敗するのは、都会の経験や都会での暮らし方(細かなことでいえばゴミ出しの時の挨拶とか近所づきあい)をそのまま「是」として押し付けたり、ひけらかしたりすると確実に反感を買いますのでご留意を。ここらについて、田舎はだから、という人もいるのだが、明治維新の時に薩長の人が江戸にやってきた時の江戸庶民の対応と同じことではなかろうか。

地方や海外へ移住なり、そこで働いていくためのポイントは、原書のほうで確認を。


このほかに、どうしても会社を辞められない人のための方策として『「趣味」に生きる人生を送ることをおすすめする。』として、その趣味をお金に変える方法なども取り上げてあります。このへんについて今、無趣味な人は、後掲の「最高の遊び方 人生も仕事も変わる!」が参考になる。

こちらの構成は、


Chapter1 そもそも遊びとは何か?

Chapter2 ボクはこうやって遊んできた~成毛眞の遊び方

Chapter3 偉人たちに学べ! 超一流の遊び方

Chapter4 今すぐできる!20の遊び

遊びの達人特別対談 六角精児×成毛眞


となっていて、最初のところで


突き詰めてやる趣味がひとつもない、というのは悪いことではない。そんな人には、色々なことを試してみるべきだ、と提案したい。一つのことを極めようとしたら、ざっくりとだが、3000時間掛かるという説がある。

(略)

一方、アマチュアで楽しく遊ぶには1000時間が目安になる。・・・遊びであれば1000時間ほどやって、他に面白そうなものがあれば、すぐに移るのをおススメする。


であったり、


真面目な人に多いのが、基本に忠実にありたい。最初から本格的でなければならないと、思い込むことだ。そんなことはない。あくまで遊びであるから、楽しみ優先いいのだ。


といった感じでハードルを下げてくれているところがうれしい。


さらには、自分の「遊び」の半生記や、ジェフ・べゾスの「宇宙旅行」や大河内正敏の「理化学研究所の創設」などおおがかりな「遊び」を紹介しながら、おススメの「風変わりな」遊びを提案しているので、ここらは好みに応じて試してみてはいかがであろうか。


ちなみに、


何かを始めようと決意しても、どこから手をつけていいかわからない。という人もいるだろう。ボクの場合は、関連する本を最低5冊ほど買い込んで、読むことから始める。入門編からプロ向けのものを一気に揃えるのだ。全部の本を最初から最後まで読む必要はない。必要と思われるところや、興味が湧くところを読めばいい。

この方法のいいところは、最初からプロ向けのものに目を通すことで、自分の目指す姿をイメージできることだ、


ということのようなので、「無趣味」に悩んでいる方はここらから始めてもいいかもしれません。


【レビュアーからひと言】


会社を定年までに辞めるにせよ、定年まで勤めるにせよ、人生100年時代と言われる今日、会社人生がそのまま「人生」だった時とは違う生き方を、ミドルエイジはおくらざるをえない。

本書の選択が最終解というわけではないが、最適解のひとつであることには間違いないだろう。前掲の「定年まで待つな」によれば


私が伝えたい共通のメッセージは、次の一言に集約できる。

それは、「旧来の価値観や固定観念に囚われて、自分を不幸にしていないか」ということだ。


であるらしい。新しい仕事にせよ、遊びにせよ。いろいろアンテナを張って、自分なりの基準でやってくのが一番なようですね。

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日本一の人口最少県の住人。地方公務員、社会福祉法人役員を経て現在、行政書士開業中。

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