「ルーティン」の大事さを改めて認識する ー 水野学「誰も教えてくれない段取りの教科書」(ダイヤモンド社)

2019年2月1日金曜日

水野学

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 「クリエイティブ・ディレクター」という横文字職業から想像する仕事のスタイルは、発想とインスピレーションのおもむくままに仕事を進めていて、リーダーの後をおっかけるのにスタッフがてんてこ舞いすることもある、ってな感じなのだが、筆者によれば


どんな仕事もぜんぶ「同じ」だと思っているのです。


とした上で


ストレスなく仕事が順調に進むのは、きちんと「段取り」をしているからです。

(略)

段取りがなければ、いつもバタバタして、日々トラブルが起き、プロジェクトは糸の切れた凧のようにどこに飛んでいくかわかりません。

段取りは、仕事の「超基本」です


ということで、実は、とても基本に忠実な「仕事の進め方」のようで、このあたりは認識を改めるとともに、大量のプロジェクトを、パキパキとこなしていくイメージのある「水野学」さんのノウハウは、多くのビジネスマンの仕事に応用できそうである。


【構成と注目ポイント】


構成は


CHAPTER1 段取りは「目的地」を決めるところから

CHAPTER2 最高の段取りをするために「目的地までの地図」を描こう

CHAPTER3 目的地まで最短距離で進もうー時間と効率化の話

CHAPTER4 脳内に「空白をつくる」ために段取りをしよう

CHAPTER5 目的地までチームで働こう


となっていて、まず注目すべきは


「仕事」を分解すると大きく3つに分けられます。

①目的地を決める

②目的地までの地図を描く

③目的地まで歩く

(略)

ふつうは③の「目的地まで歩く」ときの最適な手順を「段取り」と呼ぶことが多いでしょう。でも、そもそも①や②ふができていないからうまくいかない、という場合が多くあります。

目的地があいまいなまま歩みだすのは、いきなり登山を始めることと同じです。

まずは「正しい目的地」を定めることがなによりも大切です。(P15)


というところで、「段取り」のレンジがかなり広いところ。どうかすると、「段取り」というと仕事をやる上でのテクニカルな部分だけに限定してしまうのだが、ここまで広く構えておくのが、仕事をストレスなくやるコツなんであろうな、と思った次第。


そして、


段取りが下手な人や、そもそも段取りをしない人は「毎日が新しいことの連続である」ようにとらえています。

よって、すべての仕事に対していちいち段取りはしませんし、そもそも段取りが無意味だと思ってやりません。これでは時間もかかりますし、実現の可能性も薄れます。

しかし仕事において、「毎日が新しいこと」などありえないのです(P61)



考えることも同じ、やることも同じ、すべてがルーティンなのです。

違うのは「考えた末に生まれたアイデア」や「実行した結果、できあがった成果物」であって、プロセスは同じです。

段取りをきちんとつくってしまえば、ルーティンとしてどんな仕事も確実にやりとげることができます。(P62)


という「ルーティン」の考え方はとても新鮮で、こうしたスタンスが当たり外れなく、高レベルでの仕事を続ける秘訣なんでしょうね。また、


「マルチタスクをこなす」というのは「同時に仕事をこなす」という意味ではなく、「ひとつの仕事に集中し、他の仕事に移っていくこと」なのです(P173)



自分が集中できる環境を整える。そのためになるべく仕事が中断しないようにあらかじめ、あらゆる準備をすませておきます。

たとえばぼくは、あらゆる場所にiPhoneの充電器を用意してあります。

(略)

大切なのは「(iPhoneの)バッテリーだらけにする」ということではなく、仕事の流れをスムーズにして効率化するために、少しだけ思い切った仕組みをつくることです。自分にとって最高の環境を模索してみましょう(P175)


といったところでは、「偶然」や「才能」といったことに溺れることなく、コンスタントに高いレベルの仕事をするためには、するために「環境整備」の大事さを感じさせてくれる。


得てして、仕事をする環境などは、「やる気しだいだ」といった精神論に流されてしまうことが日本人にはよくあるのだが、このへんは管理者層がもっとも考えないといけないことかもしれんですね。


【レビュアーから一言】


「段取り」というと、とても「古臭い」言葉のように感じていたのだが、本書を読むと筆者の感覚でブラッシュアップされて、段取りの重要性があらためて認識される。


さらに、クリエイティブ・デイレクターとして活躍している筆者の「ノウハウ」的なものが惜しげもなく紹介されているので、かなりお得な一冊となっている。

「水野流」の仕事・段取りにノウハウを手に入れるなら、必須の一冊のように思えますね。

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日本一の人口最少県の住人。地方公務員、社会福祉法人役員を経て現在、行政書士開業中。

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